
SETUP STYLE / VOL.2
大人メンズに似合うセットアップ後編。ssstein、AURALEE、COMOLIで選ぶ“静かに洒落る服”
セットアップは、必ずしも“きちんとしすぎる服”ではない。
むしろ今の大人にとっては、日常の服を少しだけ整えるための選択肢に近い。Tシャツの上に羽織るだけで雰囲気が出るジャケット。上下で揃えるだけで、考えなくてもまとまるスーツ。素材に表情があるだけで、いつもの服が少し違って見える。
前編では、アクネ ストゥディオズ、MASU、JIEDAのセットアップ感あるアイテムを紹介した。
後編では、ssstein、AURALEE、COMOLIをピックアップする。派手に見せるというより、静かに洒落る。そんな大人のセットアップ選びにちょうどいいブランドだ。
大人のセットアップは、派手さよりも“余白”が大事
セットアップを大人っぽく着るうえで大切なのは、余白だと思う。
身体にぴったりすぎると、少し古く見えることがある。反対に、大きすぎるとだらしなく見えてしまう。
その中間にある、自然なゆとり。これが大人のセットアップには必要になる。
さらに、素材感も重要だ。ウール、リネン、コットン、シルク。素材が変わるだけで、セットアップの印象は大きく変わる。
ウールなら落ち着きが出る。リネンなら軽さが出る。コットンなら日常感が出る。シルク混なら、ほんの少し品が加わる。
セットアップは上下が揃っているぶん、素材の表情がそのまま全体の印象になる。だからこそ、大人が選ぶなら、デザインの強さよりも素材とシルエットのバランスを見たい。
ssstein|Oversized Single Breasted Jacket


オーバーサイズでありながら、静かに整って見えるsssteinのジャケット。
Oversized Single Breasted Jacket
sssteinのOversized Single Breasted Jacketは、静かな存在感のある一着。
ゆったりとした身幅、落ち感のある肩周り、縦方向にすっと伸びるシルエット。オーバーサイズでありながら、ただ大きいだけではない。身体と服の間に空間が生まれ、その余白が雰囲気につながっている。
素材は、2/60 WOOL GABARDINE。
オーストラリア産の梳毛糸を使用し、しなやかなタッチと微光沢感を持たせた生地だ。特殊な加工に頼りすぎず、素材そのものの良さを活かしているところも、このブランドらしい。
クラシックな印象とモードの印象が同居しているため、着方の幅も広い。
黒のスラックスに合わせればモードにまとまり、デニムやチノに羽織れば少し抜けた雰囲気になる。セットアップとして着る場合も、インナーをシンプルにしてジャケットのシルエットを見せたい。
sssteinの魅力は、声高に主張しないところにある。静かなのに、印象に残る。
大人が選ぶジャケットとして、このバランスはかなり魅力的だ。
AURALEE|SILK LINEN NEP CHECK JACKET






シルクノイルとリネンの表情が、春夏らしい軽さと上品さを生むAURALEEのジャケット。
SILK LINEN NEP CHECK JACKET
AURALEEのSILK LINEN NEP CHECK JACKETは、春夏のジャケット選びでかなり気になる一着。
シルクノイルとリネンによる三つ杢糸を使ったチェック柄のサマーツイード。素材だけでも、かなり表情がある。
シルクノイルの自然な凹凸感。リネンの清涼感とハリ。多色使いのチェックによる奥行き。
これらが合わさることで、軽いのにのっぺり見えないジャケットに仕上がっている。
春夏のジャケットは、どうしても軽さを優先するとカジュアルに見えすぎることがある。一方で、重厚なウールジャケットだと季節感が出しづらい。
その点、このジャケットはちょうどいい。
リラックスフィットで、裏地あり。シングルベント仕様のため、ジャケットとしての形はきちんと保ちながら、素材で軽やかさを出している。
セットアップ感を出すなら、同系色のパンツや淡いベージュ、アイボリー系のボトムと合わせたい。白Tや薄手のニットを入れるだけで、大人の春夏コーデとして十分に成立する。
AURALEEらしいのは、素材の良さが前に出すぎないところ。あくまで自然に、でも確かに上品。
“静かに洒落る”という言葉がよく似合う一着だ。
COMOLI|コットンツイル素材のフォーマルスーツ
















フォーマルな仕様にコットンツイルの抜け感を重ねた、COMOLIらしい日常のためのスーツ。
コットンツイル素材のフォーマル仕様スーツ
COMOLIのスーツは、いわゆるビジネススーツとは少し違う。
25SSから継続展開となる、コットンツイル素材のフォーマル仕様のスーツ。シングル2B、ノッチドラペル、背面サイドベンツというクラシックな仕様でありながら、素材はコットン100%。
この組み合わせが面白い。
一般的にはカジュアルに使われることの多いコットン素材を、あえてフォーマルなスーツとして仕立てている。だから、きちんと見えるのに、どこか力が抜けている。
COMOLIらしいのは、その“抜け”が自然なところだ。
決してラフすぎるわけではない。けれど、堅苦しくもない。ジャケットとパンツを揃えて着ても、日常の中に馴染む余白がある。
黒のコットンスーツなら、白シャツで端正に着てもいいし、Tシャツで軽く崩してもいい。革靴を合わせればきれいめに、スニーカーを合わせれば街着としても成立する。
大人のセットアップとして考えるなら、かなり使いやすい立ち位置だと思う。
スーツの形をしているけれど、スーツに見えすぎない。日常着のようで、しっかり品がある。
そんな曖昧さこそ、COMOLIの魅力だ。
まとめ:セットアップは、大人の服選びをラクにしてくれる
後編で紹介した3ブランドは、どれも派手なわかりやすさより、素材やシルエットの良さが光るアイテムだった。
sssteinは、余白のあるシルエットで静かに印象を残す。AURALEEは、素材の表情で春夏らしい軽さを出す。COMOLIは、フォーマルと日常の間にあるスーツを提案する。
大人のセットアップ選びに必要なのは、無理に目立つことではない。
着たときに自然に整うこと。単品でも使えること。そして、自分の生活に馴染むこと。
セットアップは、服選びを簡単にしてくれる。けれど、選び方次第で、ただの便利服ではなく、気分を上げてくれる一着にもなる。
忙しい朝も、少し気合いを入れたい日も、迷わず手に取れる。そんなセットアップがあると、大人のワードローブはかなり心強い。
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今回紹介したssstein、COMOLI、AURALEEのブランド情報や関連記事はこちらから確認できます。
WARDROBE LAB編集部のひとこと
セットアップは、きれいに着ようとしすぎると少し堅く見えることがある。
大人が取り入れるなら、インナーや靴で少し抜くくらいがちょうどいい。白T、薄手のニット、革靴、スニーカー。その日の気分に合わせて調整できる一着を選ぶと、思った以上に出番が増えるはずだ。
後編で紹介した3ブランドは、どれも静かな雰囲気がある。派手に目立つのではなく、着た人の空気を少し整えてくれるようなセットアップだと思う。