OUTERWEAR
秋のアウター5選。薄い順に持てば、10月も11月も迷わない
秋のアウターは、一着で済ませようとするほど失敗します。
10月の昼に着るものと、11月の夕方に着るものは、同じではありません。そのあいだを一着で埋めようとすると、昼は暑く、夜は寒い。結局どちらの日も、なんとなく我慢して着ることになります。
「8月後半、まだ暑い。それでも大人が始めておきたい秋支度」では、羽織りは「まだ着ないが、いま見ておく」と書きました。今回はその続きです。
実際に袖を通す季節が来たので、秋のアウターを5着。薄いものから順に並べました。選び方の基準から見ていきます。
選ぶ前に。見るのは厚み、天気、丈
秋のアウターで迷うのは、たいてい「どれがいちばん使えるか」を探しているときです。
答えは、一着にはありません。気温が下がっていく2か月を、厚みの違う数着で順番に受け渡していく。そう考えると、見るべき点は3つに絞れます。
秋のアウターは、一着で勝負しない。
薄い順に持って、季節と一緒に着替えていきます。
秋のアウターを選ぶときの3点
- 厚み 中に何を着るかで決める。Tシャツの上なら一重の薄いもの、ニットの上なら中綿のあるもの。先にインナーを決めると、アウターの厚みも決まる。
- 天気 秋は雨の日と風の強い日が増える。撥水や防風の素材は、薄くても体感がはっきり変わる。見た目より、生地の機能で選ぶ場面がある。
- 丈 ショート丈は軽快で、パンツの形が見える。ミドル丈は腰まで覆うので、同じ厚みでも暖かい。手持ちのパンツの太さと合わせて選ぶ。
では、薄いものから順に5着を見ていきます。上から下へ、そのまま着る時期の順番です。
1|RIELABO。デニムに見える、シャツ一枚の軽さ
最初の一着は、まだ暑さが残る日のための一枚です。
リエラボは、ニコルクラブフォーメンのハイクオリティラインとして始まったブランド。ニットライクデニムGシャツは、Gジャンのような見た目のまま、一重で軽く羽織れるスタンドカラーのシャツブルゾンです。
生地は9オンスほどの、ハイストレッチのデニム。裏を見ると編み物のカットソーのようですが、織物です。最終の製品加工は岡山のデニム専門の加工所に依頼していて、顔料を混ぜた樹脂を部分的に吹き付け、プレスで押さえて、縫い代や平らな部分に革のような艶を出しています。
ウエストを絞った細身のシルエットなので、中はTシャツ一枚が前提です。ニットを着込む季節には向きません。その代わり、ジャケットほど構えず、シャツよりは羽織った感じが出る。9月の終わりから10月の半ばまで、いちばん出番のある厚みです。
色は64サックス。リンク先で最初に表示される、いちばん明るい色です。インディゴ染めなので色落ちはしますが、この加工なら、落ちていく過程も含めて味になります。
ニットライクデニムGシャツ(64サックス)
39,600円(税込)。本体:綿71%・ポリエステル27%・ポリウレタン2%、別布:ポリエステル100%。46(M)・48(L)・50(LL)。中国製(最終加工は国内)。カラーは64サックスのほか60ブルー・67ネイビー。手洗い可。取扱:NICOLE CLUB FOR MEN
楽天市場で見る2|Lee × Firsthand。黒く染め直した、101年目のカウボーイジャケット
次は、同じデニムでも一段しっかりした一着です。
Leeのシグネチャーモデルである101カウボーイジャケットの、101周年を記念した別注モデル。FirsthandがLeeと組んで仕上げた、Firsthand限定のスペシャルモデルです。
生地は12.7オンスのオリジナルデニム。Leeでは珍しい右綾で、1944年以前のヴィンテージを思わせる仕様です。ボタンは刻印入りのドーナツボタン。インディゴの上からブラックで染め重ねていて、青でも黒でもない、奥行きのある色に仕上がっています。
身幅と肩幅は、現代的に着やすいリラックスシルエットに調整されています。販売ページが勧めているのは、白Tやチェックシャツを中に合わせる着方。シャツを一枚重ねられるぶん、10月の後半まで出番が続きます。
ひとつ注意があります。染め重ねたデニムは、色移りしやすい。販売ページでも、淡い色の服やバッグとの擦れに注意するよう書かれています。白いパンツと合わせる日は、少し気にしておいてください。
別注 OVERDYE COWBOY JACKET(チャコールグレー)
22,000円(税込)。綿100%(革ラベル:牛革)。S・M・L・XL。ベトナム製。色はサイト表記でチャコールグレー(タグ表記はオーバーダイブラック)。水洗いで多少縮む。取扱:FREAK’S STORE
楽天市場で見る3|ECOALF。秋に一着だけ、色のあるアウターを
3着目は、雨の多い日のためのミドル丈です。
エコアルフは、海洋プラスチックごみを回収・分別・再生し、製品として生まれ変わらせるプロジェクト「UPCYCLING THE OCEANS」を主導しているブランドです。TARKA JACKETも、そこから生まれたアップサイクル素材を使っています。
フロントとポケットには止水ファスナー。雨の侵入を減らしつつ、デザインのアクセントにもなっています。ブランド自身が「寒く、雨の日に理想的」と書いているとおり、秋雨の季節にちょうど合う一着です。
リンク先で最初に表示される色は、レッドです。赤いアウターは難しい、と思うかもしれません。ただ、中を白やグレー、パンツを落ち着いた色にまとめれば、赤は一か所だけの差し色になります。暗くなりがちな秋の装いを、一着で明るくできる。黒とブルーもあるので、迷うなら無理はしないでください。
TARKA JACKET MAN(レッド)
36,300円(税込)。表地:ポリエステル100%(合成樹脂使用)、裏地:ポリエステル(リサイクルポリエステル使用)。S・M・L。中国製。カラーはレッドのほか黒・ブルー。取扱:ECOALF
楽天市場で見る4|1PIU1UGUALE3 RELAX × +phenix。寒いのは気温より、風のせい
11月に入ると、寒さの正体は気温より風になります。
同じ気温でも、風があるだけで体感はまるで違う。そこで効くのが、このパーカーに使われているWINDSTOPPER(ゴアテックス ラボのプロダクト)です。風を止めながら、内側の湿気は外に逃がす。本来は両立しにくい防風と透湿を、生地の側で解いています。撥水性もあるので、少しの雨なら気にせず着られます。
作りも細かい。背中の下、前後の肩、フードに通気の構造があり、ポケットは止水ファスナー。ロゴはすべてリフレクター仕様で、暗くなってからの帰り道でも目立ちます。
1PIU1UGUALE3 RELAXと、スキーウェアのphenixから生まれた+phenixのコラボライン。配色は派手に見えがちですが、リンク先のネイビーなら切り替えが落ち着いて見えます。スポーティなぶん、ジャケットの上に羽織る使い方には向きません。休日の、歩く日の一着です。
カラーブロックパーカー(ネイビー)
39,600円(税込)。表地:ポリエステル100%(WINDSTOPPER® プロダクト by GORE-TEX LABS)。M・L。カラーはネイビーのほかカーキ・グレー・ブラック。取扱:SHIFFON
楽天市場で見る5|Barbour。オイルドではない、キルティングのBLYTH
最後は、ニットの上に着る一着です。
バブアーといえばオイルドジャケットですが、これは違います。Bshopの別注モデル「BLYTH」を、軽い中綿のキルティングで仕立てたもの。表地はポリエステルなので、オイルの匂いも、定期的なリプルーフ(オイルの塗り直し)もありません。
形の元になっているのは、フライフィッシング用に開発されたモデル「SPEY」。そこに「BEDALE」の立体的なフラップポケット、スナップボタン付きのチンストラップ、ラグランスリーブ、そして象徴的なコーデュロイの襟。バブアーらしい要素は、きちんと残っています。
丈はすっきりしたショート丈。腰まわりは覆わないので、真冬の一着にはなりません。その代わり、中綿は軽量で、保温性は高い。ニットの上に一枚羽織れば、秋の終わりはこれで受け持てます。
色はリンク先で最初に表示されるGREY。オリーブほど定番に寄らず、黒ほど重くならない、ちょうど中間の色です。
〈別注〉BLYTH キルティングジャケット MEN(GREY)
45,100円(税込)。表地・裏地・詰物:ポリエステル100%、衿:綿100%、皮革部分:人工皮革。M・L・XL。中国製。カラーはGREYのほかBLACK・OLIVE。取扱:Bshop
楽天市場で見る秋のアウターを、冬に持ち越さないために
秋のアウターは、着る期間が短いぶん、しまう回数が多い服です。夏にしまったものを9月に出し、11月にはもう次の一着に替える。
しまい方を間違えると、次に出したときに型崩れやにおいが残ります。やることは多くありません。
しまう前の3点
- 汚れを落としてからしまう 襟と袖口の皮脂は、時間が経つほど落ちにくくなる。デニムとナイロンは洗濯表示を見て洗い、中綿は部分汚れだけ拭き取る。
- ハンガーは肩の厚いものを 細い針金のハンガーは、肩に跡が残る。とくにキルティングは、形が崩れると戻りにくい。
- 撥水は、しまう前に戻す 撥水のある生地は、洗ったあとに乾燥機やアイロンの熱で機能が戻るものがある。できるかどうかは、洗濯表示で確認する。
まとめ:一着で済ませず、薄い順に替えていく
暑さが残るうちは、リエラボのシャツブルゾン。10月に入ったら、Lee × Firsthandのデニム。雨の多い週は、エコアルフのミドル丈。風が冷たくなったら、1PIU1UGUALE3 RELAX × +phenixのパーカー。そしてニットを着る頃に、バブアーのキルティング。
秋のアウターを一着で探すと、どれも少しずつ足りません。薄い順に持っていれば、その日の気温に合わせて選ぶだけで済みます。
全部をそろえる必要はありません。まず、いま手持ちにない厚みを一着。それだけで、秋の朝の迷いは減ります。
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WARDROBE LAB編集部のひとこと
秋のアウターを買うときは、店で着ている服のまま試着しないでください。
試着する日は、たいていまだ暖かく、Tシャツ一枚で店に行きます。けれど実際に着るのは、ニットやスウェットを重ねる日です。
中に着る予定の服を着て行くか、せめて手持ちのニットを一枚持って行く。肩と袖まわりがきつくないか、そこで初めて分かります。