8月後半、まだ暑い。それでも大人が始めておきたい秋支度

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EARLY AUTUMN GUIDE

8月後半、まだ暑い。それでも大人が始めておきたい秋支度

お盆を過ぎると、店頭は一気に秋物に変わります。

けれど現実は、まだ35度近い日が続きます。ニットもコーデュロイも、着られるわけがありません。

この時期にいちばん見苦しいのは、暑いのに無理やり秋を着ている格好です。汗をかきながらの厚手シャツほど、清潔感から遠いものはありません。

大人の秋支度は、服を変えることではなく、素材と色を少しずつ動かしていくことです。今回は、8月後半から9月にかけて、無理なく季節を切り替えるための考え方を整理します。

季節は「素材」から変える。形はまだ夏のままでいい

秋を先取りするとき、いちばん失敗が少ないのが素材で調整する方法です。

半袖でもショーツでも構いません。ただ、生地の表情を少しだけ重くする。それだけで、同じシルエットでも季節感が変わります。

たとえばTシャツ。夏の間ずっと着てきた薄手の白Tから、少し厚みのあるヘビーウェイトの一枚に替える。首元と肩まわりに落ち感が出て、それだけで9月の顔になります。

シャツも同じです。透けるほど軽いリネンから、少し目の詰まったコットンリネンやタイプライターへ。真夏の抜け感を、ほんの少し引き締める感覚です。

逆に、この時期に手を出さなくていいのがニットとツイードです。焦って着ても暑いだけですし、9月半ばを過ぎれば嫌でも出番が来ます。

形はまだ夏のまま。素材だけ、半歩秋に寄せる。

これが8月後半のいちばん自然な切り替え方です。

色を一段落とす。それだけで印象は変わる

素材の次に効くのが、色です。

夏の間は、白、サックスブルー、ライトベージュといった明るい色が中心になります。ここに、少しだけトーンの低い色を混ぜていく。それが秋への移行になります。

おすすめは、ネイビーではなくチャコールやカーキ、そしてブラウン。とくにブラウンは、日本の残暑の光の中でも重く見えにくく、それでいて確実に秋の空気をまといます。

やり方は簡単で、上下どちらか片方だけ落とせば十分です。白Tにブラウンのイージーパンツ。ベージュのショーツにチャコールのポロシャツ。全身を暗くする必要はありません。

むしろ、この時期に全身をダークトーンでまとめると、見た目の体感温度が上がって暑苦しく見えます。明るい色を残したまま、一か所だけ深くする。それがちょうどいいバランスです。

8月後半に足したい色、まだ待ちたい色

  • いま足していい:ブラウン 秋を感じさせるのに重くならない。パンツか小物から入れるのが自然。
  • いま足していい:カーキ・オリーブ まだ夏物のシルエットに馴染む。ミリタリー由来の軽い素材が多いのも利点。
  • いま足していい:チャコール 黒ほど重くならず、白と合わせても季節が前に進んで見える。
  • まだ待ちたい:ボルドー・マスタード 秋色として強すぎる。9月後半以降のほうが自然に見える。
  • まだ待ちたい:全身ダークトーン 残暑の日差しの下では、見ているほうが暑くなる。

足元を先に変えると、いちばん自然に季節が動く

季節の切り替えでもっとも効率がいいのは、実は足元です。

上半身は暑さの影響を直に受けますが、足元は多少変えても体感温度がほとんど変わりません。つまり、我慢せずに季節感だけを進められる場所です。

まずやりたいのは、サンダルを一足減らすこと。8月後半になったら、サンダルの出番を週の半分以下に落とし、代わりにローファーやレザースニーカーを使う日を増やす。それだけで、全身の印象が一段大人に寄ります。

ソックスも同じです。素足で履いていたところに、薄手のショートソックスを入れる。丈の短いパンツと合わせても、素足よりきちんと見えます。

もう一段進めるなら、白いスニーカーを一度休ませて、ブラウンやグレージュの靴に替えてみてください。真夏の軽さが抜けて、9月の空気に近づきます。

上を夏のまま、足元だけ秋にする。

暑さを我慢せずに季節を進められる、いちばん現実的な方法です。

羽織りは「まだ着ない」。でも、いま見ておく

9月に入って朝晩が涼しくなると、必ず必要になるのが薄手の羽織りです。

ただ、8月後半に着る必要はありません。ここで大切なのは、着ることではなく、今のうちに探しておくことです。

秋物が店頭に並び始めたばかりのこの時期は、サイズも色も一番揃っています。9月半ばに「涼しくなったから買おう」と思って探すと、定番の色とサイズから消えていきます。

候補になるのは、シャツジャケット、薄手のブルゾン、そして裏地のないアンコンジャケット。どれも真夏には暑すぎますが、9月から10月にかけていちばん出番が多い層です。

試着だけしておいて、涼しくなったら買う。あるいは、気に入ったものがあれば先に確保しておく。この時期の店は空いていて、じっくり見られるという利点もあります。

いま見ておきたい、9月の主役

  • シャツジャケット Tシャツの上に羽織るだけで様になる。9月にいちばん着る回数が多い一枚。
  • アンコンジャケット 裏地がなく軽い。きれいめに寄せたい日の保険として持っておきたい。
  • 薄手のブルゾン 朝晩の冷えと、冷房対策を兼ねる。カジュアル寄りの日に。
  • 長袖のカットソー 意外と手薄になりがち。夏のTシャツと秋のニットの間を埋める。

まとめ:先取りしすぎない人が、いちばん季節感がある

秋支度というと、新しいものを買い足すことだと思われがちです。

けれど実際のところ、8月後半にやるべきことは限られています。素材をほんの少し重くする。色をひとつだけ落とす。足元を先に変える。そして、9月に必要なものを今のうちに見ておく。

それ以上は、まだ早い。暑い日に暑い服を着ている人より、涼しい顔で少しだけ季節が進んでいる人のほうが、確実に洗練されて見えます。

季節を先取りするというのは、時計の針を早めることではなく、ちょうどいい速さで合わせ続けることだと思います。

WARDROBE LAB編集部のひとこと

毎年やってしまうのが、8月に秋物を買って、そのまま10月まで着ないというパターンです。

買った日がいちばんテンションが高いので、つい一度は袖を通したくなる。そして汗だくになる。

買うのはいい。着るのは、あと少し待ちましょう。


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WRITTEN BY

WARDROBE LAB編集部

WARDROBE LAB / Editorial Team

30代・40代・50代のメンズファッションをわかりやすく・丁寧に伝えるメディア「WARDROBE LAB」の編集チームです。

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